話を聞けない夫の話
「夫たちよ、妻の話を聞こう」、「話を聞かない男、地図が読めない女」、けっこう昔に流行った本のタイトルですが、世の男性は話を聞くのが苦手と言われます。男脳だと一度に一つのことしかできないとか、狩猟民族だったときの記憶からコミュニケーションより成果をあげることを得意とするとか、言われます。それがどのくらいの男性(男脳)に当てはまるのか、女性の話を聞けて、話を引き出すような相槌も打てて、魅惑的な微笑を浮かべながら知的な返しもできる男性もたくさん知っているので、男性が皆そうではないことは確かなのですが、少なくともズンドコモルタロの名付け親でもある我が夫君はそれらの本をBookOFFで全て購入し、付箋と赤線をつけたものを贈りたくなるようなナイスガイです。
人間は、というより人間の脳は自分を守るために周囲の状況を自分に都合よく解釈するようにできているといいます。今回の私のブログ用メモを横から見た夫から、「うちの夫はこんなに話を聞いてくれるよっていう話にしない?」という謎に満ちた提案がありました。捏造です。世界的な科学雑誌ネイチャーに載せる論文には間違いがないようにあらかじめ注意する必要があると思いますし、ここまでこじれた今となっては理性的な対応の積み重ねと今後の研究の発展を願って止みませんが、妻のブログで嘘をついていい夫になりたがる夫君は理解に苦しみます。
子連れで出掛けようとすると帽子をかぶって行け!その格好じゃ暑い!寒い!雨が降るぞ!とうるさく(失言)声をかけてくれるベトナムのおじちゃん、おばちゃんたち。出くわすのが億劫になる勢いで接近し、誤って二人のおじちゃんやおばちゃんに同時に会うようなことがあると、私の子供の服装が暑そうか、寒そうかで喧嘩が始まるほど世話を焼きたがります。いいから出掛けさせて〜と思います。口調も荒く、ほぼ怒鳴り声なので最初は怒られているのかと思いますが、そこを最大限好意的に解釈する訓練ができてくると、みんな子供が大好きで構いたくて仕方ないのね〜と思えるようになります。そんな私の鍛え抜かれた「最大限好意的に解釈する」コマンドを全力で発揮して、夫の謎の提案を「ブログの文章が愚痴っぽくならないように配慮してくれているのね」となかば強引な解釈をすることに成功しました!却下です!確かにベトナムに来た当初は、話を聞いてない件で、ご近所のおばちゃんから翌日問い質されるほどがっつり喧嘩をしました。が、いまではそれは怒って解決しないことを嘆く対象ではなく、どうしたら乗り越えさせられるか取り組んでいる課題なので、捏造しなくても、きっと読み味スッキリに書けるだろうと思います。
寄生虫について書いている間は平和でしたが、身内について書くにあたって前置きが長くなりました。話を聞かない夫君にどうやって話を聞かせるか、についてはまた改めて。
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