5月は花の季節

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5月のハノイは花の季節ですね。タクシーに乗っていても、街路のバンランが咲き乱れていますし、高いところを見上げると火炎樹の赤がまぶしいです。花の季節が暑い時期ずっとという驚異的な花、ブーゲンビリアもこの時期に咲き始めるので、正に花の饗宴の感があるハノイですが、私はハノイに来た当初、火炎樹はともかくバンランの花が苦手でした。夫にハノイの桜だよ、と紹介されたせいかも知れません。え、桜?日本人の、というか私の桜に対する愛をなめてるんじゃないか、この人。そう、恐らく最初の夫のいらない紹介のせいでバンランを日本の桜と対比して見てしまうくせがついた私には、バンランはその花を愛でるというよりもむしろ桜への憧憬を募らせるための対象となってしまっていたのかも知れません。そういった意味では、日本人の好みを知り尽くした桜に朴訥とした趣のバンランが勝てるはずもなく、毎年桜を見られない春の終わりにバンランが咲き、それと同時に暑くなることから花の美醜とは関係なくバンランの印象が悪かったのも無理からぬことかも知れません。

最近は、年間を通してバンランくらいしか街路樹にまとまった花が咲かないことを理解してきたのと、ハノイに来たときに苦手だったちょっと重苦しいような葉の緑色を気候に慣れると同時に受け入れられるようになってきたのとで、バンランを見るとあぁ、花の季節が来たな、と思えるようになりました。バンランと火炎樹は紫と真っ赤というお互いにあまり調和しない色をしているからか、ほぼ同時期に咲くにも関わらず、同じ通りで競演するというよりはこの道はバンランの通り、その角を曲がると火炎樹の多い通りと住み分けているように見えます。

そんなベトナムらしく主張の強い街路樹たちのなかにあって、控えめなぽわぽわと白い花を咲かせる樹を見かけたことはありませんか?樹高が高すぎず、なかなかかわいらしい樹形で薄めの緑色に白い細かな花が咲いているのが印象的です。近所の人に聞いたところDau Gia Xoan(ゾウザーソアーン(画面左上の写真です))「スポンディアス・ラコネンシス」というそうです。ベトナムの花にしてはなんだか儚げでかわいいと思っていましたが、わずか2、3年で街路樹になる程度の大きさにまで育つとか。南国の樹木は強いです。街路樹にまとまって植えられているというよりは、バンランの端に添えられているようなことが多いです。興味のある方は良かったら車窓から探してみてください。

バンランがハノイの桜にあたるかどうかは別として、ベトナムの国を象徴する花という意味では蓮が国花に指定されています。蓮は、私の大好物です。あのぷっくりふくらんだつぼみを買ってくるだけで、しあわせいっぱいになりますし、翌朝ぶぁあぁって咲いてくれた日には一日アドレナリンだかα波だかが出続けていると思います。先日、少し早めではありますが、いつも買っている花売りの姉さんが蓮のつぼみを持っているところに行き会いました。もう、蓮が!さすがにちょっとつぼみは小さ目ですが、ぜひ買いたい。いくらか聞くと4万ドンとの返答、よし買おう、ところが姉さん、あまり蓮を売るのに乗り気ではないようです。まだ小さいからおすすめでないとか、それよりこっちの白い百合を買っていけとか。百合、、きれいだし、これから咲きそうで悪くないし、おまけしてくれるのはうれしいけど、蓮が買いたいんだけど。。蓮が買いたいと粘るも、私とお前の仲だろう(どんな仲だというのでしょう。たぶん白髪を見つけたら抜いてくれる仲。。)、いいから百合を買えの一点張り。さらに蓮を粘ると、じゃあ、百合と一緒なら蓮も買っていいよとのこと。もともと勧められている百合も二束セットなのに、そんなに花瓶ないわー。姉さんの花はいつもよく咲いてくれるので、抵抗するのはやめておとなしく百合を購入しました。

今年初めての蓮を買いましたというブログ記事を書こうと思ったのに、あえなく撃沈しました。蓮はシーズンの6月までお預けにして、いましばらく街路樹の花を楽しみましょう。

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