やもりさんは友達です

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ハノイで暮らしているといつの間にか同居人が増えていたりします。主なものにやもり、ごきぶり、あり、こばえ、白あり、木食い虫、くも、、ねずみまで来ると駆除を依頼しなくてはならないので大変です。前のアパートでは天井を走り回る音をよく聞いたものの、幸いなことに姿を見たのは一度きりでした。間接照明用に設けられた天井の袋になった部分を走っていったので、下には下りて来なかったはずだと信じています。

こうした闖入者のうちにあって他の生き物が害虫であるのに対し、やもりさんは益虫であり、ハノイに生活する人のお友達なのだと、私がハノイに住み始めたころ既にハノイ生活が長かった人に教わりました。ありやこばえなどの小さな虫を食べて、ころっと細長く、一箇所白い点のあるふんをするやもりは不潔感がなく、食害もなく、むしろ他の害虫を駆除してくれるもので、日本でも家を守るという意味でやもりを守宮または家守と書くことからもわかるように家に住み始めたら大事にしないといけないくらいのものなのです。日本ではやもりが家にいるのはあまり一般的でないと思いますが、ここハノイではすばらしいレジデンスであっても住んでいることの方が多いと思いますし、日本の奥さんでやもりが嫌いとかいやとかいう人にも会ったことがありません。

そういったことはすべて承知の上で、やもりがとてもとても苦手なのです。もともと両生類、爬虫類が苦手なので好きになれるとも、好きになろうとも思っていないのですが、突然現れてススススーッと走るようすも、夜中にケケケケケケケケッと鳴く声も苦手なのです。ごきぶりに悲鳴はあげないのですが、肩にとまっていたときでさえ悲鳴をあげたりはしなかったのですが、やもりを見たら絶対に悲鳴をあげます。あの半透膜のように触るとぺとっと密着しそうな肌も、その内側の意外に筋肉っぽさのある肉質も、その引き締まった肉体を活かした竣敏な動きも全て無理なのです。やもりさんの方でもその歓迎されてない感をわかっているのか、うちのやもりさんはみなこそこそしています。

苦手、苦手と言っていたらやもり好きのお友達に名前をつけてみたらと言われました。仕方ないのでやもりのベトナム語からタッケーと呼ぶようにしてみました。が、タッケー3号まで増えたいまもあんまり仲良くなれてません(結局あんまり名前らしくない呼び方も原因でしょう)。タッケー1号と3号はシンク脇に住み着いたので、いつも台所にふんを落とすのをやめてほしいと思っていますし、2号はなぜか年中お腹がゆるいらしく水っぽいふんをするので窓のまわりの汚れが落ちなくて困るのです。なぜうちのやもりさんたちは揃いも揃って不潔感があるのか。。多少害虫を食べてくれていてもふんの方が不潔な気がしてなりません。そんなわけでハノイに住んでる間にやもりさんと仲良くなることはないだろうと決めてかかっていましたが、慣れというのは本当に恐ろしいもので四年ほど生活している間にいつの頃からか気にならなくなりました。朝起きてやもりさんのふんの始末をするのもいまでは普通です。お腹のゆるい2号とシンク脇でふんをする3号も自分たちのライフスタイルを変える気はないようです(1号は前のアパートでお別れ済み)。

私にやもりさんはお友達、かわいいよと教えてくれた日本人のお友達は既に日本に帰られましたが、彼女からごきぶりホイホイはハノイでは使ってはいけないとも教わりました。それは彼女自身がごきぶりホイホイを設置した際に、誤ってやもりさんがかかってしまったという(私にとって)恐ろしい実体験に基づく忠告で、あのぺとっとした肌がべとっとしたごきぶりホイホイに‼︎と考えただけで一人で悶絶しましたが、一緒にその話を聞いていた人たちは一様にやもりさんに同情をしていたので、怪談ではなくかわいそうな話だったようです。確かにやもりさんもかわいそうですが、私も絶叫すること必至なので絶対に置くまいと心に誓っています。

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