ハノイの旦那さん、日本の旦那さん

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日本の奥さんは子供を産むと働かないよね。と、ベトナムの知人女性に言われてびっくりしましたが、そう、ここはベトナムです。今年、産休育休が法律で少し伸びたそうですが、生後三ヶ月の子供を置いて働きに出るのも決して珍しくない、働くお母さんに支えられてる国、ベトナム。他方、ここで生活する日本人奥様の多くは、駐在として数年単位の見込みでハノイに滞在することになった旦那様の都合でこちらに来ており、フルタイムで働いて4、5万円の現地採用の仕事にメリットを感じることももちろん少なく、結果として日本では働いていた奥さんもここでは専業主婦という状況が生まれています。

とはいえ男性は外で仕事をし、女性は内で家事育児をするというのは、日本では古くから一般的な分業スタイルで、日本初の物語絵巻「竹取物語」の竹取の翁ももうおじいさんなのに外で働いていて光る竹を見つけるし、桃太郎のお爺さんお婆さんだって山と川で分業していて桃を拾うわけです(お婆さんは洗濯をしているので外にいますが家事のうちです)。では、ベトナムでは伝統的にどうしていたか。知人女性によれば、ベトナムで働くのは女性の仕事、もちろん家事育児も女性の仕事で、ベトナムの旦那さんというのはなにもしないものらしいです。素晴らしき哉、ベトナム人女性。。なにが素晴らしいって、その旦那さんをつまんで外に蹴り出さないことでしょう。仮にも健全な成人男性が昼間から家でごろごろ、起きてきたら近所の友達と将棋に興じ、飯時に戻って来ては自分のご飯を探し、あまつさえ夜は酒盛り、下手をすれば浮気さえあり得る、暑さ故にトランクス一枚でうろうろとして、でっぷりした中年太りを見せびらかす。。百年の恋も冷めるどころか冷凍窒素で瞬間凍結したところを壁に投げつけて粉砕する腕の見せ所です。話してくれた女性も子供の頃はそんな大人の様子をみて男性になりたかったとか。ん?それもどうかな?

もはや比べるまでもないですし、ベトナムがそれだけ気候と風土に恵まれた豊かな土地だったのだと思いますが、日本人男性の昔からの勤勉さをなんだか今更ながらありがたく感じてしまいます。

さすがに都市化の進んだハノイでは家計の出費がかさむようになり、法律上の賃金の低さから男性も働かなくてはいけなくなったのか現代の旦那さんは働いている人がほとんど。これまで奥さんが一手に引き受けていた育児もついでに引き受けて、子供が二人いれば一人は奥さん、一人は旦那さんが見るのが普通だとか。ん?そうすると最近は日本の旦那さんの方がもしかして遅れている?制度上、仕組み上の制約からベトナムの旦那さんはベトナムの仕組みの中で、日本の旦那さんは日本の仕組みの中でそれぞれうまく役割を担っているなと思うと同時に、女性の(草の根的な)社会進出という意味では昔から働き詰めだったベトナム人女性に当然ながら遅れを取っているなとも感じたある日の午後。「でもうちの旦那はイクメンですって書いておいてー」といううちの夫も過去の恋を冷凍窒素に投入候補です。

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